放課後クリームソーダ〈高崎〉【休日クリームソーダ日和.08】

「誘う人を選ぶ映画だったね」
映画館から出て彼女はそう言った。

受け取る力の大きい彼女があの作品で気持ちをえぐられたことはすぐにわかった。

それもなんとなく予測して『少女邂逅』という映画に、彼女を誘ったのは私だった。
そして今回の、小旅行も。

一緒に映画を見たあの夏の夜から5か月以上経って、今まさかあの少女たちが過ごしていた街に来るなんて。

映画とコラボしたというガスト高崎駅西口店のクリームソーダは手で持つにはとても余ってしまうほど大きく、私たちはかわりばんこに引き寄せてそれを飲んだ。

浮かべられたベリーは重みに耐えきれず次々と沈んでゆき、スプーンですくおうにも氷の要塞が邪魔をする。
まるでその代わりのように、一緒に頼んだ赤ワインをじっくりと味わう。

懐かしいこのメロンシロップ味のソーダが甘すぎるなんてことはない。
だって、私たちもかつては少女だった。

だけど、ねぇ、この感情は。
「ものたりない」なんてつまらない言葉で片づけてしまいたくないこの感情は。

学校帰りの、たとえばファミレスのドリンクバーで粘っては長話をしていた、無意味で怠惰で、だけどいつだって新鮮だったあの時間を離れて数年、私たちはあのころと同じ永遠を探してしまう。

東京に戻り、寒いねとおでんをつつき、日本酒を飲み、「永遠に食べられるね」「永遠に飲めるね」なんてわざと酔っては大人げないことを何度も言い合った。

今さらまさか少女時代に後悔なんてない。

だけど、私たちの放課後はどうかこのまま。


text & photo／浦田みなみ


＜shop＞
ガスト 高崎駅西口店

群馬県高崎市あら町156
TEL：027-330-3116
営業時間：7:00〜2:00
（2018年12月31日（月）は1:00CLOSE）
定休日：なし

※映画『少女邂逅』とのコラボレーション商品「放課後クリームソーダ」（税抜249円）は2019年1月5日（土）までの期間限定提供。
なお、朝10:30～のオーダー可能です。

現在（2019年1月5日まで）、高崎商科大学とガストを運営する、すかいらーくホールディングスによるプロジェクト「すすめ！ファミレス」の一環で「シネマガスト　映画に包まれた一日を」というイベントを開催中で、『少女邂逅』はもちろん、高崎市内で撮影された複数の映画のロケ地紹介や撮影現場の写真の展示などを行っているので、映画ファンの方は要checkです！