少女邂逅するクリームソーダ〈高崎〉【休日クリームソーダ日和.47】
「どこかに行きたい」
気づいたらつぶやきがちなその“どこか”は、高崎でもいいなと
自分のことを知らない人ばかりの街は、思った以上に気楽だった。
ぴんと張り続けていた自慢の背筋も
ぐにゃり猫背で目も当てられない。
シャツはちょっと汚れてるし、靴下はいてないし。
笑うときだってわざと大きく口を開けた。
自分の本当の姿ってなんだろう。
無邪気な自分がそうだと思っていたけれど、
仕事をしているときのキチンとした自分が
どんどんプライベートにも出てきていて、
今の私はそちらの成分が多めに思う。
それもまた、成長と呼ぶのだろうか。
それを受け入れるだけの年はとっている。
けれど、またいつか無邪気な私に戻りたくなったとき。
ただいまってドアを開ける場所が、
あの喫茶店であって欲しい。