#休日クリームソーダ日和

アイスがとけるまでの刹那はあの夏の日の眩さみたい。

2020-01-01から1年間の記事一覧

アイデンティティーはクリームソーダ〈高円寺〉【休日クリームソーダ日和.52】

「人は変われる」と目を輝かせて力説する私に「はあ、へえ」と死んだ魚のような目を向けられたときはなぜだと思った。 ただ理想の人の近くにいて擬態しているだけなのに、素晴らしいそれになれたと勘違いをしていた私は、彼の目にどれだけ滑稽にうつっていた…

ずる休みのクリームソーダ〈舞浜・千葉県〉【No.51 カフェ・トレイル&トラック イクスピアリ店】

深夜の友だちからの失恋したという告白から数時間後、思いつきで会社を休んで2人でディズニーシーに行った帰り。イクスピアリのカフェ・トレイル&トラックでクリームソーダを飲みました。

バイバイの前のクリームソーダ〈新宿〉【休日クリームソーダ日和.50】

マクドナルドの期間限定クリームソーダ(マックフロート レモネード)にのせた乙女心。学生時代によく来ていた新宿西口の景色を眺めながら、昔話に花が咲きます。

現在と過去を彩るクリームソーダ〈浦安・千葉県〉【休日クリームソーダ日和.49】

弾かれるように顔を上げたときにはもう、窓から河が見えていた。 間違って逆方向の電車に乗っていたらしい。 到着した駅で電車を降りる。 普段なら逆側のホームへと直行するのだけれど、 私は迷わず改札を出た。 十年前、ひとり暮らしをしていた駅だった。 …

うたかたのクリームソーダ〈新橋・番外編〉【No.48 日本酒バル 蔵のや 新橋】

「日本酒バル 蔵のや 新橋」で期間限定の日本酒クリームソーダをいただきました。その溢れる泡に、ボリス・ヴィアンの『うたかたの日々(日々の泡)』に思いを馳せます。

少女邂逅するクリームソーダ〈高崎〉【休日クリームソーダ日和.47】

「どこかに行きたい」 気づいたらつぶやきがちなその“どこか”は、高崎でもいいなと クリームソーダとプリンアラモードを前にして思った。 自分のことを知らない人ばかりの街は、思った以上に気楽だった。 ぴんと張り続けていた自慢の背筋も ぐにゃり猫背で目…

古い映画とクリームソーダ〈渋谷〉【休日クリームソーダ日和.46】

一緒に観ようと約束していた映画をひとりで観に行った。 もう彼には一切気持ちはないのだけれど、 映画館での上映を知ったから、 観るタイミングを逃し続けていた私はここだと思って チケットを1枚取った。 静かな夜、青臭い昔の映画を観た。 失恋をするとた…

シャンプーとクリームソーダ〈番外編〉【No.45 チロルチョコ〈クリームソーダ〉】

気のおけない友人とお泊り会。チロルチョコの季節限定フレーバー「クリームソーダ」を片手に昔話に花が咲く。

女の子とお酒のクリームソーダ〈神田〉【休日クリームソーダ日和.44】

「でもそんな仕事……」と口走り、 しまったという顔をしたおじさんに 私は「ほんとそれな〜」って笑って見せた。 わかりやすくホッとしている彼をこれ以上考えさせないように、別の話題を振る。 夜、呼びつけられて神田の自動改札を通ると、 毎日顔を合わせて…

失恋クリームソーダ〈三軒茶屋〉【休日クリームソーダ日和.43】

終わりは唐突に訪れた。 なにげなく見ていたインスタに「結婚しました」の文字。 真夏の日差しが窓から暴力的に差し込む昼下がり、蝉の声を聞きながら、1年、いや2年もひそやかに、だけど強くくすぶっていた私の恋は終わった。 なにかに急かされるように慌て…

喫茶スプーンのクリームソーダ〈番外編〉【休日クリームソーダ日和.42】

夏ってこんなに暑かったっけ。 肌に突き刺す日差しの暴力におもわず笑ってしまうわたしたち、ちょっとやばい人ですよね。 8月半ばの土曜日は、大好きな喫茶パオーンとアパレルspoonのコラボイベント。 欲しかったTシャツはなかったけれど(ちゃんとサイトで…

大人のルールとクリームソーダ〈上野〉【休日クリームソーダ日和.41】

まだ口の中に残っている苦味に顔を歪めながら、 急いでゴージャスなステンドグラスが出迎える階段を駆け下りた。 なぜ、打ち合わせではコーヒーしか飲んではいけない雰囲気なんだろう。 わたし、コーヒー飲めないのに。 カフェラテも注文しづらい雰囲気、本…

京都旅の始まりとクリームソーダ〈京都〉【休日クリームソーダ日和.40】

そうだ京都に行こうと君が言ったから。 そう言われなければ、気づくこともなかったのかもしれない。 それは冗談かと思っていたけれど、 次の土曜日、きちんと迎えが来た。 そのままふらりと都内近郊へと遊びに行くように、 私たちはのぞみに乗った。 なぜ京…

二階からクリームソーダ〈日暮里〉【休日クリームソーダ日和.39】

「階段をのぼると、クリームソーダがありました」 とつぶやいてみると、隣で本に目を落としたまま太朗は 「それは川端康成氏の『雪国』……」 と言ってから自分の言葉に疑問を持つように顔を上げ、さらにはゆっくりと首を傾げ、 「……をオマージュした『千と千…

酔い覚ましにクリームソーダ〈鹿児島〉【休日クリームソーダ日和.38】

お酒を飲んだあとに歩く闇の中、 焦点が合わない時間に身を委ねる。 連日のように雨が降る7月。 だというのに傘を持ち歩かないわたしは 雨に打たれて震えながら今日も夜を歩く。 一緒に飲みに行った男性は終電前に帰してくれて、 お互いになにも言わなかった…

かっこいい名前の猫とクリームソーダ〈新宿〉【休日クリームソーダ日和.37】

「最近よく行く喫茶店が、君も好きそうだと思ったんだよね」 仲間内の飲み会で、隣に座った彼が顔を寄せて言った。 実は意中の彼。 今日だって、隣の席にさりげなく座るのに勇気を使い果してへとへとだった。 そんなことなど全く知らない彼は、 鼻歌まじりに…

オンライン・クリームソーダ〈番外編〉【休日クリームソーダ日和.36】

先に言っておくけれど、私は遠距離恋愛NGタイプ。 「会えない関係に、何の意味があるの?」 と悪びれずに言っていた。 そんな私にとって、コロナ禍なんてありえない。 会いたくても会えない。 近くても会えない。 時間があっても、お金があっても、会えない…

媒体執筆のお知らせ

発売は結構前になってしまったのですが、ご報告をいたします。 スイーツライターはなともさんがメインガイドで送るスイーツ名店ガイドブック「孤独のスイーツ」内にて、#休日クリームソーダ日和 も寄稿させていただきました。 テキストはtomが担当。 私たち…

364日のクリームソーダ〈番外編〉【休日クリームソーダ日和.35】

変なことを言うけれど、あなたが孤独でよかった。今では友だちの多いあなたが実は孤独をよく知っている人で、だから出会えたんじゃないかと思う。同じ経験なんてしていない。でもきっとどこかで記憶がつながっている。大人になってから知ったの。嫌な言い方…

アルファ0.75だけ秘密のクリームソーダ〈青葉台〉【No.34 喫茶コカブ】

青葉台のかわいいカフェ「喫茶コカブ」で頼んだクリームソーダに託した片思いの乙女心。友人たちとの集まりの前に、みんなには内緒であなたと2人だけで会いたい。