陸奥八仙クリームソーダ〈番外編〉【休日クリームソーダ日和.20】
きっと一人ではこの世界は小さすぎる。
よったふりをしてわざと大仰な言い方をする。
うだるように暑い中、家から1時間。それからみんなで坂道をのぼって
もりがあるね、なんてふざけて言いながら。
あの家、結局終電逃して2日間も一緒にいたね。
つめたく冷やしたお酒とおいしいごはん。
いい感じにみんな酔って楽しかったなぁ。
ねぇ、
クリームソーダのラベルの日本酒があるなんて私知らなかった。
リモコンひとつで自分の知りたいこと、会いたい人を集められる時代でもないのに
いつも好きなものを声に出して言っていると、こうして教えてくれる人がいるのね。
むつ八仙は、ちょっとだけライチみたいな、華やかな味。
ソーダの味はしないけど
おいしくてあっという間になくなっちゃった。
だって楽しい時間は光よりも速く去っていっちゃうものなのよ。
おもいでと感触だけこの体に残して
いつか消えていってしまうそのときまで蓄積されていくの。
しちがつも終わり、東京はいよいよ真夏、毎日暑いです。
からだ中から汗をかきながら朝から会社に行っています。
つかまえられない記憶も
たくわえられない思い出も
ああ、こうして日々にとけていくのね。
リアルを生きる私たちよ、世界を広くするために
がまんなんてしないでずっと、好きなことだけやっていたいわ。
とかなんとか言っちゃって、
うそです。
ゆめと現実のあいだ
うそと誠意のあいだ
くるくると表裏一体に。それがたぶん私を構成する要素。
まぁまた会いましょう。
くいしん坊だから、またご飯もお酒もみんなとの会話も全部つめこんじゃうよ。
んー…、ちょっと酔いすぎてはずかしいこと言ったかな…。
<detail>
陸奥八仙 クリームソーダボトル
dot SAKE projectというプロジェクトの第3弾で制作された日本酒。
ビール酵母で醸したチャレンジ作でもあり、ぴちぴちとした口当たりが特徴。
子どものころ、ご褒美で飲んだクリームソーダに感じたときめきを、このお酒からも味わってほしいとの思いからこの名前に。
ラベルにはRPGのコマンドのような表現で飲み方のアレンジ法も記されている。
text & photo/浦田みなみ